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南和ラス工業株式会社
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よくあるご質問
A1 :ラスの貼り方は横張りが大原則です。
ラスの種類に対して横張り・縦張りを基本とするものがあるが、おおむね横張りの製品が主である。
ラスのメッシュ部分の長手方向が水平方向になるように躯体に張り付ける様にする。これはメッシュの角度が45度に立ってなっており、モルタルを受け止めるポケットの役割をしている。長手方向が垂直方向に張り付けた場合はメッシュ角度が無い為にモルタルが擦り落ちやすくなる。ラスシートの場合は、長手方向に角波成型を施しているが、ラスのメッシュ部分は長手部分が水平方向になるようセットされている。
特殊ラスの場合メッシュの角度が60度に立っている物もあり、縦方向にした場合も45度ある製品もあり、縦横どちらでもほぼ同じ効果を得られる製品が有る。中には施工がしやすいだけの理由で縦張りする製品も有り、これらの製品に付いては各メーカーの仕様に準じ施工されている為その根拠は不明確である。
A2:現在は、質量700g/㎡以上で塗り厚を確保でき、モルタルを保持出来る形状が良い。
ラスモルタルの歴史から判断して波形ラスJIS1号(700g/㎡)が最低基準になると思います。
大正から昭和初期にかけて、ラスモルタルの普及に伴いモルタル下地はワイヤーラスを使用し、平ラスは補強材として用いられていた。昭和14年防火改修法案設立された。その仕様はワイヤーラス品番JIS1232(線材の太さ1.2mm・製品巾1820mm×3640mm・重量2.2㎏/坪)に補強用平ラス#450番(450匁/坪:現在の平ラスJIS2号品相当)であった。
戦後は物資の不足から質量の軽い物が生産されだした。生産性・作業性・コスト面からメタルラスの普及が進んだ。 ワイドラスはワイヤーラスの類似品として現在も生産し使用されているが、メッシュの形状がワイヤーラスとほぼ同じ大きさであること意外はワイヤーラスの特性が生かされて居らず、日本工業規格JISにも当てはまらないまったく根拠の無い製品である。
メタルラス工業組合(当時メタルラス調整組合)としては、昭和14年防火改修法案設立に伴いワイヤーラスの代替品として平ラスの仕様を建設省に求めたが、モルタルの塗り厚を確保するには不十分であると判断され、平ラスはあくまで補強用に使用する事と指導された。モルタルの塗り厚を確保する為にコブラスを開発したが、コブラスJIS1号品(390匁/坪)では質量が不十分。コブラスJIS3号品以上でなければワイヤーラス同等品と判断できないと指導を受ける。またコブラスはジョイント部をコブ同士で重ね合わせるため、材料ロスが出やすいために波形ラスを開発した。昭和15年に波形ラスJIS1号(600匁/坪)に対して補強ラスを平ラス#390番(390匁/坪:現在の平ラスJIS1号品相当)を使用する事で、建設省に理解をいただけた。
参考:
昭和25年メタルラス工業規格品JISA5505を取得。 ワイヤーラスのJIS1232:質量666g/㎡ 平ラスJIS1号:450g/㎡・JIS2号:500g/㎡・JIS3号:700g/㎡・JIS4号:1050g/㎡ コブラスJIS1号:450g/㎡・JIS2号:500g/㎡・JIS3号:700g/㎡ 波形ラスJIS1号:700g/㎡・JIS2号:1050g/㎡
A3:現在は、エアーステープル0.56mm×1.16mm×19mm以上で、ステンレス製の材料を使い、100mmピッチで千鳥に留め付けるのが妥当だと考えます。
ステープルの規格は、一般的にステープルメーカーが販売されているJ線の19mm(以下J1019)が最低基準と考えます。ステープルメーカーからいただいた引き抜きデーターを見ると、1019で約20kgf/本であり。ステープルの保持力として必要な保持力とは、どのくらい必要であるか考えた場合。砂モルタル塗り厚20mm(防火基準)とした場合で約40kgf/㎡あり、単純に4本/㎡を打てば持つわけである。ステープルの止め付け間隔を見た場合1.住宅金融公庫仕様:70mmピッチ千鳥 2.日本左官業組合連合会仕様:100mmピッチ千鳥 3.日本建築学会JASS15仕様:150mmピッチ千鳥となっている。これらは過剰スペックなのか?ステープルの間隔はクラック防止として必要な本数であると考えるのが正解であろう。財団法人日本住宅・木材技術センターが平成7年11月から12月にかけて、(香川県多度津町)財団法人原子力発電技術機構多度津工学試験所にて行なった木造住宅の実大震動実験を行なった。この時の仕様は波形1号(質量700g/㎡以上・厚さ10mm)をラス下地板に足の長さ19mmのタッカー釘で100mm間隔で千鳥に留め付け、モルタルは今日普及している軽量モルタルを用い、塗り厚17mm(耐火1時間合格)で、10mm厚に下塗りし、翌日7mm厚に上塗りして仕上げた。実験の結果から一部1階開口部モルタル層の脱落が発生したが、ラスの剥離・剥落は無かった。
現在耐久性の判断材料は無い。ラスの場合本来モルタルとの付着により被覆される為、溶融亜鉛メッキ処理材を使用することでほぼ防錆効果を得られるが、ステープルに使用されている線材の場合メッキ量がラス材料と比べ少ない。また、木材に入った足の部分が木材の水分や防蟻処理などによる化学反応により腐蝕の進行が早くなってきている。安全面から耐久性を判断した場合、ステンレス製の線材を使用するのがベストである。
A4:波形ラスを使用した場合を基本として考えると、砂モルタルの場合は10mm・軽量モルタルで塗り厚が20mmの場合8mm・軽量モルタルで塗り厚が17mmの場合6mmが最適だと思います。
砂モルタルは防火上最低でも20mm塗る必要があり、仕上げまで考えると約25mmから30mmになります。実際1回のモルタルの塗り厚としては8mmから10mm程度で、3回塗りが基本であり全体塗り厚の3分の1をカバーする山高が必要であると考えています。以前の耐震マニュアルでは9mm以上と言う表現がなされていた。これはJISのリブラスが9mmであるのと、同じくJISの波形が10mmであり、マニュアル通り施工された建物は阪神の大震災でも被害が無かったのも事実である。
軽量モルタルの場合、全体的に仕上げまでだと18mmから20mm程度になるために山高を6mmから8mmを使用する方がと良いと思います。必要なものは、いかに塗り厚を確保出来、剥落をさせなくするかが第1の条件で、第2の条件はクラックを出しにくくするためにはどうするかで、1・2の条件がクリアー出来ないとモルタル壁の本来のよさが出ないのではと考えます。実際モルタルの種類とラスの種類が多いため、塗り実験をしていただき相性を判断するのが良いと思います。